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Twitter凍結記念

そっちがお気持ちを出したらこっちもお気持ちするしかないじゃない!

最近のインターネットを騒がせた三省堂オタク用語辞書「大限界」が大炎上を起こし三省堂からも説明が出ましたがお気持ち文だったのでモヤモヤしすぎるので書きます。
やけにイライラするので自分の中での整理のためです。
傷つける意図はありませんが攻撃的ではあります。
そこはご注意ください。
あと思いの外懐古してるので昭和終期〜平成初期に生まれたオタクは懐かしいと思います。
なげーのと否定的な文章なので省略します。

件の辞書
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件の辞書についてのご報告
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この大炎上について簡単にまとめましょう。
前提情報
・大学生達がゼミ活動としてオタクの用語を調べまとめ上げた
・ゼミ担当教員が編集で見てるが担当教員は非オタク(ゼミの子たちの言葉に興味を受けまとめたらどうかと言った)

オタク大学生たちの会話を興味深いなと思ったゼミ担当教員が課題にしてまとめてみたら?と言った所から始まったみたいですね。
ここからどう出版社に行き発行に至ったのかはわからんのですが出来が良かったのか面白かったのか、わからないですが出版されることになったわけです。

炎上の経緯としてはこの辞書に例として載っている言葉が実際の作品で腐女子含めオタクが使っているカップリング名をそのまま掲載した事によります。

そりゃ怒るわ。擁護のしようがねぇ。
それで見事にインターネットのオタクたちが騒ぎ出すわけです。
特に書かれてしまった界隈の人たちはアカウント削除や鍵垢にして逃げる。掲載作品を下げて逃げる。等対処に追われています。

そらそうだ。心中お察しします。本当に難儀でしたね…

多分これでCP活動やめた方もいらっしゃると思います。
これオタクからすると凄い界隈荒らし破壊行為なんですけどきっと若い子と担当の先生はわからなかったんだろうな。最近の同人界隈ゆるいからね。
それで出された文章がまたお気持ちでして。

要約するとこんな感じ
・学生たちのパッションを大事にしたい
・言葉の流動が激しいオタクの世界の言葉をそのままのニュアンスで保存したい
・学生たちが熱意を持ってやってくれた。拙い所もある。

お気持ちじゃねぇか!!!!
そこまでオタクに寄らなくていいよ〜〜〜〜〜!!!!!!
いや、ここでこれを出すのは逆に面白い!すっごいオタク!うん!オタク早口で自分の正当性並べ立てる!原作に忠実!
これについては逆に追撃で言わなかった方が良かったのでは!?と思っちゃうんですけどまぁ火に油だろうな〜と思っています。
で、なんでこんな文章になっているのかと私なりに考えたんですけど。
アカデミックの世界って研究対象についてはすごく大事に扱ってると思うのですが、ちょこちょこオタクすぎるがゆえに人の気持ちを鑑みない部分もあると思っています。
研究のため、珍しい事象の結果が見たいから気持ちは一旦無視する、という事があると思っています。
そこはもう研究する人の性なので仕方ない。
でも今回は研究対象がそれとは相性がとても悪いです。
だから騒がれているんだと思っています。

ここから私の考察です。
まず、彼らがまとめたオタク活動について色々な界隈があります。これは言及してますね。
漫画、ゲーム、舞台、テーマパーク、フィギュア、鉄道、2次元、2.5次元…上げたらきりがないんですけどオタク活動自体が何かひとつのジャンル・物・場所・概念などに対して高い好意と熱意を持って好きを深掘りする活動をオタク活動と呼んでいます。
なのでとんでもなく幅広い。
その中には色々な界隈があって、界隈によってルールや言葉も違います。界隈の中だけで意味が変わる普段使っている言葉もあります。暗号みたいなものですね。内輪文化でもあります。
この界隈の選択が問題でして…
多分ゼミの子たちは同人オタクだったのかな。
同人界隈もめちゃくちゃ広いのですけど、その中の既存作品から二次創作をするジャンルを上げてしまったのが問題でして。
二次創作は一次創作(公式と呼ばれる)からキャラクターや設定を借りて二次的な創作をする界隈です。
イラスト・小説・漫画などを創作するのが多く、作る人と見るだけの側(見る専)がいます。
二次創作もまた幅広いんですけど中でも二次創作BLを扱う界隈は鎖国よろしくものすごく隠れている界隈なんですね。
なんで隠れているのかと言うと公式や原作者に見つかりたくないからです。
なんで見つかりたくないかと言うと自分たちの作っている作品が作者を含め公式で作品を作っている人たちを傷つけ嫌な思いをさせる可能性があるからです。
好きなのに傷つけるんです。
だって公式で一切描かれていない関係性を勝手に妄想して勝手に形にして複数人でニヤニヤ楽しんでいるのです。
なんとそれを薄いブックにして配布したりします。
ちなみにこの配布ですが、同人誌というものは同人サークルの会報誌なので本来はサークルの人間達みんなで本を作り制作費を割り勘する所から来ています。
が、現在は個人サークルという日本語としてはおかしいんですけど、個人で本を出しそれが欲しい人間が制作費の割り勘分払って本を受け取る形になっています。つまり本を買ったらその場だけサークル員という事になっています。なので配布なのです。実質0円ですね。説明おわり。
この同人誌にはもちろんBLもあるし18禁もあるわけで…
誰かが原作に同人誌送りつけたりしてそれを作者が見て傷ついて作品を描く気力を失ってしまったらもう最悪じゃないですか。
こっちとしては大好きだし原作永遠に続いてほしいのに自分たちの好きの気持ちが人を傷つけて大好きな作品の続きが世界から消えるんですよ。
絶対に嫌だ。そう古のBLを愛する腐女子たちは思いました。
その結果確定した事を言わず指し示すような暗号的な言葉を使い隠れる文化が出来上がりました。
そしてコレはネットの検索避けの文化にも繋がっています。

これNLは見逃されがちですけどNLだってそうだと思っています。
セクシャリティ的に大多数だからって大通り歩いて良い理由にはならないと思っています。妄想は妄想。ただの幻覚。
なので公式タグでCP投稿は公式で夫婦とか恋人とか確定事項が無い限り私はダメだと思っています。

でもみんなSNSにしっかりCP作品載せてんじゃん。
と言われると本当にぐうの音も出ないんですけど棲み分けができていると思っているんですね…そこは問題だなとは思うんですがネットってもう壁もなにもないからな…
昔は壁が一応ありました。まずリテラシー高くないと検索できなかったのと、サイトの入り口に注意書きがあったので、たてつけくらい。多分そのノリが現代まできてしまっているけど、もはやトレーシングペーパーよりも情報透け透けなので意味なしてないな〜とも思います。
そんないつでも検索したら見れる状態を見て元気に活動してる人たちを見てたら、公式黙認と思われるのも仕方ないとも思います。
確かにちゃちゃ入れなければ作品を盛り上げ消費活動もする良いユーザーですからなんとも言えないですよね。生かさず殺さずでありがとうございます。

んで個人サイトについて。
私が知ってる同人界隈って20年前くらいのネットからなのですが、その頃は個人サイト全盛期だったのでサイトに入る前に同意書じゃないですけど同人サイトである事、公式と関係ない事などはお決まり文としてindexに書いてありました。
indexとは一番最初に飛ばされるページです。
注意書きを読み大丈夫だったり理解している人だけがサイトに入って良いと言う文言とhomeのページに行くリンクが貼られています。
homeというのは今で言うTOPページですね。
お酒のウェブサイトに18歳以上か確認するページを挟むじゃないですか。あのシステムが同人サイトでは標準装備されていたんですね。
その頃から「公式と関係ないから!わかってるよね!?」という念押しは必ずあり「毒吐きネットマナー」など同人者マナーがいくつかありました。
迷惑者もそこそこいたんですけど、そういう当時の迷惑な事案が見たい人は2chまとめの「厨房メール展覧会」や「家は宿でも合宿所でもねえぞ!」を検索されると当時の香ばしい同人トラブルの話がいっぱい読めます。(自衛しないと危ない時代でもありましたね)
その頃の同人誌にも今の同人誌と同じように「公式と関係ない旨」は書いてありました。
昔って今と違って公式ガイドラインなんて優しさは一切なかったのでいつ公式が怒り出して警察に凸られるかわからないと思いながら同人をしていました。
実際ポケ◯ンの同人誌作ってた人が警察に捕まった事件もありますしね。
だから「公式と関係ない」って口酸っぱく言っているんですね。
その特定されたくない隠れて活動する流れでCP名やジャンル名がすぐ分からないように当て字になったりして暗号化も進みました。
個人サイト時代にも既に検索避けタグの使用を推奨する文化はあり、基本的に同人サイトには同人サイトをまとめているポータルサイト個人サイト内のリンク集からしかたどり着けない仕組みになっていました。直リン推奨、好きな言葉です。
この個人サイト文化もpixivを筆頭にSNSの台頭・発展により駆逐されるのですがそれはインターネット同人の歴史についてがメインになるので今回は省きます。

全ては公式に見つかりにくく隠れて好きなものを楽しむための自衛から来ています。

その文化を脈々と受け継いで続いてきた二次同人BL界隈に対してボカシ一切無しでジャンル名もCP名も載せようとしたんだからそりゃ切れ散らかされても仕方ないなと思いました。

自分たちの文化を荒らされたくなくて隠れて生活をしていた集落にいきなり押し寄せてきて勝手に暴かれる気持ち。

だろうな〜と思いました。
これは私が想像してる事なので実際の界隈者の気持ちはその界隈の人にしかわかりませんが。

んで、なんでそういった文化の中でこんな暴かれる自体が起きたのかの推測は、近年のオタク文化がライトに取り上げられて「オタクって普通でしょ」という雰囲気になってきているからだと思っています。
だってコミケがニュースになる時代ですよ。昔じゃ考えられないね。
昔は有害図書とか非実在青少年とかオタクってだけでバッシングひどかったしアニメオタク自体が隠さないと差別されるから隠れてたんですよ。
若いオタクたちはわからないかもしれませんが、キャラグッズなんてつけてたら「オタクキモw」と虐められる事もありました。
相手がオタクであるかどうかの確認するのすらヒヤヒヤしながらやっていたんですよ。
だからこっそりグッズに見えにくいアニメファイルを使ったり下敷き持ったりして「知ってる人は反応できる」状態を作っていたりしてました。まだ私は心が若干タフネスでしたがこういった事もできない人も沢山いただろうな…
私はこっそり使っていたLamentoのクリアファイルで予備校で友達が出来た経験があるのですが、もう仲良くなるスピードがやばかったですね。Lamento知ってたら咎血も知ってんじゃん…ってね…そりゃ存じ上げてました…
今は堂々とウマ娘を好きとか言えるんですから大変良い時代ですね。
逆に対魔忍はどうしてこんなにおおっぴろげになったんだとブラックリリスを知る者として恐ろしさはありますね。

話が逸れましたがまとめると
二次同人は公式バレすると身の危険があるため隠れていたいし界隈に住んでる人のリテラシーレベルも下げたくないし勝手に行動するアホの子が公式に同人について聞き公式で「同人禁止令」を出されたら生きる喜びや世界の色彩を失ってしまうからやめてくれ!!!に尽きるかな。と思います。個人の見解ですが。

これ別段鉄オタとか舞台追っかけとか隠れてない界隈だけをまとめてたら問題になってなかったと思うんです。
ただでさえ隠れ方もバラバラだけど文句はどこからともなくすぐ出る印象なので扱いたい気持ちはわかるが配慮が足りてなかったねって感じす。

んで、ゼミ担当の先生の言葉から引用しますと。

オタク仲間にならない限り、触れることのできないような日本語がたくさんあることを知り、彼女たちの使う言葉をできる限り集め、保存するべきだと考えました。

とありますが、これは上記で書いた解るものだけに伝わるべくして生まれていった言葉の使い方であり、保存しようと思われたのも流動的だからだと思うのですがそもそも隠れているのでわからないように流動的にわざわざしている文化があると思っています。野生動物みたいですね。
わざとわかりにくくしてる所をわざわざまとめて出版、しかもデッカな出版社からというのは流石に鬼畜すぎますって!
せめてまずたたき台として同人誌で出してSNSで話題性を上げてツッコミを沢山もらって修正していき出版させる流れにしたほうが見るユーザーも納得もいったと思うし内容も深くなる気がする。マーケティング的にいきなりすぎた気もする。

と思っていたんだなと書き連ねて理解しました。
この話題見てから、薄ぼんやりなんか、きもちわるいな、と思っていたので。
すっきりした。
もちろんこれは私の推測している事なので大多数の意見ではないです。
でも流石に出版物に対して「学生もがんばったから」みたいな努力したから許してくれ的な文章はないなと思った。
それはよくない。課程と成果と評価は違う。
がんばったのは凄いと思うし実際オタク用語をまとめるなんて大変だと思う。
でも出来上がったものの成果とそれに対する評価は違う。頑張ったら全部許される報われる世界だったら良かったんですが。
今回で危険を察知し筆を折った同人者さんや、その作品を心の底から愛していた見る専の同人者さんの気持ちを思うと実害がでかすぎるのでギルティだなぁと感じます。
好き作家がいきなりpixiv全消しして居なくなった者の気持ちがわかりますか?この世の終わりですよ。もうあの素晴らしい作品が拝めないのだと思うと。それが御本人の意思100%ならまだ納得できるんですけど第3者からの余波でそうなったんなら恨まずにはいられないと思います。
そして辞書自体が改定しても一度去った同人者がまた戻るとは限らないのです。多分戻ってこない。既に生態系破壊に手を出している可能性があるのがまた罪深ポイントなんですよね。あぁ気持ちを思うだけでつらい…

というのが私のお気持ちです。よくここまで読んでくださいました。ありがとうございます。
批判というか、なんで炎上してるんだって紐解きがしたかったんですよね。
自分の中で何にモヤッてんのか納得させたかったからこのようにブログという個人の忘備録に書きました。
ていうかこの公式に対して隠れる文化も一定年齢層が過激派であると思っています。同人バブル期の伝説のひとつに公式声優にBL台本読ませる会の開催などとてつもない歴史はあったのですが、これは昔の電車は乗車する民度低くてで大変だったんだみたいな話でテコ入れと注意喚起と自治が進みこうなったんだと思っています。実際に逮捕者が出た辺りでみんな明日は我が身になり自衛が進んだんじゃなかろうか。わからん。私が同人サイト作り始めた時くらいにFind Out事件が起きたりしてたから自治過激派ではあると思ってる。

Find Out事件についてネット記事も少ないと思うんで書きますが、ファンロードなどと同じくイラスト投稿雑誌で二次イラストも多く載っていたFind Outって雑誌があったんですけど当時そういった投稿雑誌の中に文通コーナーがあり住所や電話番号など載っていたんですね。全国の書店で販売されていた雑誌なんですが。
で、その文通募集に載ってるのほぼ若い女の子なんですがそこに目をつけたおっさんがある女の子に猥褻な電話をかけて警察のお世話になりFind Outも責任を取り休刊、他雑誌も文通コーナー同人通販コーナー(個人情報が載っているコーナー全て)消滅となりました。これが全国ニュースで流れていたんですね。モザイクがかかっていてもFind Outだってわかった。ニュース見て「この号持ってるな」と思ってたから。その翌月か翌々月で休刊になったと記憶しています。体験談ですね。過渡期。

つらつら書くと無限になっちゃうからここまで。
おわり!